(ネタバレを含むので本編の後に読んでね)
いやーやっと終わった。
『黄昏の堕天使』を抜いて、これまでで一番の長編です。
……って、実はまだ完成してはいないんですけどね。取り敢えず第一稿ができたということで、ハイなうちに後書きも書いてしまおうという魂胆(笑)。この後に待つのは、気の滅入るような校正の作業だけだし。
でも今回、長い割には結構すんなり書けました。『黄昏……』のときは、一日に数行しか書けない日も多かったのですが、今回は常に枚単位で書き続け、ピーク時には一日に三十枚近くも書いてました。自他共に認める遅筆の私としてはまさしく快挙! 何しろ、ピークがちょうど正月休みでしたから。
さて、ちょっと内容の解説とかもしましょうか。
主人公は今回も受難の日々です。もー心身共にボロボロ。でも、ボロボロになりながら闘ってこそ主人公ですよね。奈子は基本的にヒロインではなくてヒーローですから。
そして今回も、この作品の名物(?)女の子同士の絡みも健在です(とゆーか更にパワーアップ!)。第二章のハルティのお陰で、まともな男女モノになるかと期待したんですが、やっぱりこの人、最後は影が薄い。終章の冒頭に登場させる予定もあったんだけど、冗長になるのであっさりカット。次回こそ頑張ってね。次回登場時には、妹アイミィとのどつき漫才を展開する予定(嘘)。
所詮私のキャラって、シリアスになりきれないのね。
今回ページが増えたとはいっても、過去のレイナの話にページを割いたため、ハルちゃんに限らず、レイナと奈子以外のキャラは「あんたいったい何しに出てきたの?」という状況です。七章のエイちゃんだって何の必然性があってあそこで出てきたのやら。
これらはみんな「次回以降のための伏線」ということで納得して下さいね。
重要キャラのくせに出番が少ないといえば、筆頭はファージですね。『異界の戦士』以外はほとんどちょい役です。何しろこいつ、強過ぎるんですよ。裏の事情を知りすぎてるし……。
最近の主な役割は、殺されること(笑)。今回もしっかり死んでくれます。一体何者なんでしょうね、この人。「私は三人目……」って?(爆)。
実は今回、最初の構想では奈子とファージは最初から一緒に遺跡へ行く予定だったんです。でもそれだと、奈子をピンチにするには、遺跡の中で二人を引き離す工夫をしなければならない。それがどうも上手くいかなくて、やっぱり奈子には最初から一人で闘ってもらうことにしました。
今後、物語が佳境になれば必然的にファージの出番も増えることでしょう。
次に存在意義のないキャラといえば、一章に登場した美樹とめ〜めに尽きます。美樹は『復讐の序曲』四章以来の再登場ですが、何しろこの二人「向こう側」の話には全く関係しませんから。
彼女らも一緒に向こうの世界に行って『美少女戦隊もの』になるという噂は全くのデマ(笑)。このキャラは、私の他の作品から持ってきたお遊びです。
ちなみに、め〜めという愛称は、名前の美夢が変化したもの、というのが公式の設定ですが、真実は逆。め〜めという愛称が先にあって、それに合った名前を考えたのです。め〜めの由来は……大きな声では言えませんが……女女です。つまり女×女、こいつもその趣味のキャラなんですねー。奈子危うし。
そういえばこのシリーズ、迫られるのは常に奈子なんですよね。いわゆる総受け? この路線は今後も続くでしょう、きっと。
「北原の作品は何故みんなそっちに話が行くのか」と訊かれることがあります。いいじゃないですか。世の中、男×男ネタばかり書く人も多いんですから、逆がいたって(笑)。
さて、第四話でのお気に入りといえば、断然ダルジィです。
今回は顔見せだけだったけど、もっと活躍させたかったです。エイシスと並んで『こいつを主役にして番外編を書きたいキャラ』の筆頭。
ところで、ダルジィ、銀髪、ポニーテール、ツリ目、これでニヤリとしたあなたは往年のパソコンゲーマーですね?
そうです、モデルはアレです。外見はそのまんまアレと思って下さって結構です。さすがにサイコパワーは使いませんが、この世界の住人なので魔法で勘弁して下さい(笑)。
……で、何を言っているのかわからない、という方のために説明しますと、その昔『第四のユニット』(データウェスト(株))というパソコン用アドベンチャーゲームがあったんですよ。(最初の作品はもう十年以上前になるんですね)
FM―TOWNS専用というレアな作品も含めると、このシリーズはこれまで7作制作されていて、今でもデータウェストのホームページでソフトの紹介を見ることができます。
一部ではかなり人気があったゲームなのですが、ダルジィとはそのキャラの一人で、シリーズの2作目で主人公のライバルとして登場し、シリーズ後半では仲間になるという、なかなかお約束な人です(笑)。
『第四のユニット』シリーズでは私はこの娘がお気に入りだったんですよ。特に三作目『デュアル・ターゲッツ』での再登場シーンなんて最高、主人公なんて目じゃねーぜ! ってなわけで、思わず自分の小説に使ってしまいましたとさ。
どうせなら、敵として出した方が面白かったかなぁ……。ちょっと後悔。
では最後に、今後の予定。
『インタルード』シリーズの二作目を近いうちに書きます。
当然、更に百合度アップ(このまま行くとインタルード3くらいで十八禁か?)。
今の予定では二月中頃ですね。
その他、奈子の出てこない「向こう側」での外編のネタがいくつかあります。本編のサブキャラ、エイシスやダルジィをメインにして。
現時点で企画が具体化しているのは、この時代より数年前のエイシスの話。インタルード2の後に書く予定です。
本編の第五話は……早くても夏頃かなぁ? 下手すりゃ秋にずれ込むかも。何しろその前に『西十八丁目の魔女』シリーズを完結させなきゃならないし。
『光の王国』シリーズは長く書き続けていく予定ですので、どうぞ気長にお付き合い下さい。
一九九八年一月十日 北原 樹恒
kitsune@nifty.com
創作館ふれ・ちせ
http://plaza4.mbn.or.jp/~kamuychep/chiron/
第二版あとがき
いつ終わるのか知れない『光』全話再推敲作業ですが、ようやく第四話まで来ました。
このペースでは、年内に最終話まで終わらせるのは難しそうです。
今回、ストーリィの変更はほとんどありませんが、その割には文章の修正量は多かった気がします。
微妙な言い回しの修正も含めれば、オリジナルの文の六割以上は手を入れているのではないでしょうか。
これだけ長いシリーズになると、文章の「クセ」が各話毎に異なっているのも仕方のないことですけどね。特にこの当時、私の小説歴はまだ短くて、「キタハラ流の文体」というものが確立されていませんでしたから。
で、本作『レイナの剣』ですが、これはキタハラ自身かなり気に入っている作品で、読者の人気も高いようです。
これまでにも何度か書いていることですが、『レイナ』でこれ以降の『光の王国』のスタイルが確立されたと言ってもいいでしょう。
すなわち、序章は奈子が出てこない向こうの世界の話(主に昔話)。
一章と終章は、奈子と由唯の百合シーン(笑)。
そして本編の随所に、過去のエピソードを織り交ぜる、と。
これ以降の本編は、すべてこのスタイルになっています。
もう一点、『レイナ』がこれ以前の作品と異なるのは、「最終話までの道筋が決まってから書いた最初の作品」であるということです。
このシリーズをどんな風に進めて、どうやって終わらせるかというのは、第三話執筆中にようやく決まったことでして、一〜三話は終点がわからない状態で書かれたものなんですね。だから伏線等も不十分だった、と。(この点は、改訂版で改善されていますが)
もちろん、この当時考えていたラストと実際の最終話はかなり違いもありますが、それでも骨格の部分は変わっていません。
つまり、構想段階からエンディングが見えていて、そこへ向かって進み始めた最初の作品なのです。
そうした意味でも、『レイナの剣』はシリーズ中で重要な位置にある作品でしょう。
で、最近新作を発表していないキタハラの今後の予定ですが……。
現在、まだ『ファイナルファンタジーX』プレイ中のため、執筆作業が滞っています。
ですが今回、『光の王国』がアスキーの『TECH Win』誌のCD―ROMに収録されるというので、途中だった『レイナの剣』修正作業を慌てて終わらせました。明日からまた、FFXに戻ります(笑)。
で、新作の予定ですが、『たたかう少女4・キャット・ファイト』を一応少しずつ書き進めてはいます。まだ、いつ公開できるかはわかりませんが。
それでは、また新作でお会いしましょう。
二○○一年八月三十日 北原 樹恒
kitsune@nifty.com
創作館ふれ・ちせ
http://plaza4.mbn.or.jp/~kamuychep/chiron/
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