お久しぶりです。
すっかり「年に一作」のペースとなってしまった『たた少』の第四話をお届けします。
しかし……まあ。いいんでしょうかねぇ? この話を一般向けで公開してしまって。これでも最初の案よりはかなりライトになっているんですから、ずいぶんと暗くて重い話です。
実はこれ、元々は『たた少』のエピソードじゃありませんでした。三人娘もアリアーナも出てこなくて、純粋に歩美だけの話。
だけどそうすると、本当に救いようのない重い話になって、しかもエロエロで。で、まあ、もう少しライトにできないものかと考えて、彩樹たちと絡めることにしたんです。
ところで、『たた少』第一話のあとがきを憶えている方はいるでしょうか?
「『光…』が諸々の事情でずいぶんと重い話になってきたので、もっと気楽な話が書きたいと思ってできあがったのが『たたかう少女』なのでした」
……なんてふざけたことを言ってたのはどこの誰でしょう?
ええ、忘れてください(笑)。
でも正直な話、二話以降の『たた少』は、キタハラ自身も首を傾げながら書いている作品です。常々「なにか違うよなぁ」と思っていたのですが、最近ようやくその理由がわかりました。
『たた少』って『光』と違って「もっと面白くしよう」「もっといい作品にしよう」とか考えずに、ただ書きたいことだけを書いている自己満足的な作品なんですよね。『光』もかなりやりたい放題やりましたけど、それでも「ここでこーゆー展開にすればもっと盛り上がる」「物語としてはここにもう一つなにかエピソードが必要」とか、いろいろとプロットを考えて、より面白いものにしようとしていたのですが、最近の『たた少』にはそれがない。特に『スナーク狩り』と『キャット・ファイト』はそう。
だから、『たた少』はあまりおおっぴらに宣伝しにくい作品です。今回は恒例の「楽園の投票のお願い」もなしにしておきましょう。
でもまあ、たまにはこんなのもいいかな、と思います。これから書く『たた少』以外のシリーズはどれも、ちゃんと「小説として完成度の高い面白いもの」を目指すつもりですから。
ということで今後の予定。
『たた少』は次回が一応最終話の予定です。とはいえ、全三話の予定だったものが『スナーク狩り』『キャット・ファイト』と当初の構想にないエピソードが入ってきているので、今後のことも保証はできませんが。
それでも一応、今の予定では第五話『反逆の少女たち(仮)』が最終回です。また、いろいろと暗くて重くて痛いシーンがあるかと思います。『痛快百合的美少女活劇』だったはずなのに……。しかし考えようによっては「痛くて」「気持ちイイ」話ですから、タイトルに偽りなしといえるかも(笑)。
第五話は二○○二年前半を予定していますが、その前に一本新作を書くつもりです。『光』本編が完結して、『たた少』も終わりが見えてきたので、『月羽根』以来の新シリーズを開始しようかと。
今度こそ、ほんわかほのぼのとした話になるはずです。これまでのキタハラ作品のファンを裏切るような作品にはならないと思いますので、どうぞお楽しみに。
二○○一年十一月 北原樹恒
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創作館ふれ・ちせ
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