なかきよ・その後


 お布団敷き終わった後は、祥子さまの部屋のバスルームに年功序列で入り(さすがにみんなで一緒に入れるほど広くはない)、祥子さまの愛用しているボディソープとかシャンプーとかの香りに包まれているうちに、もうすっかり上機嫌になって思わず鼻歌が飛び出てしまった。
(これが、お姉さまが浸かったお湯……)
 思わず口に含んで、お嬢様エキスを味わう。飲み下そうとしたところで「おやじエキス」も混じっていることを思い出し、慌てて吐き出した。


 その後、寝る直前になって色々ごたごたあったけれど、それでもなんとか落ち着いて、みんなが布団に入った後。
「祐巳」
 私にだけ聞こえる声で、祥子さまは話しかけてきた。
「は、はいっ」
「今日は来てくれて嬉しかったわ」
「はいっ」
「嫌じゃなかったら、また遊びに来て
「はいっ」


(……やったわ!)
 祥子はその時、布団の中でこっそりとガッツポーズをしていた。
 それから数日後。
 祥子の部屋のバスルームが、二人で入れる広さに増築された。


あとがき

ふと気付くと、小ネタの新作もずいぶん久しぶりですね。
今さらのように『なかきよ』ネタですが、やっぱり「祥子さまと一緒にお風呂」シーンは欲しかったな〜、という想いを込めて(笑)。

さて、どうしてこんなに更新間隔が空いてしまったのか……と考えると、FFXにハマっていたからなんですが、それとは別にもう一つ「『チェリーブロッサム』がイマイチ気に入らなかったから」という理由もありそうです。
どうにも、ばみゅネタが浮かんでこないんですよね。
でもまあ、新刊ネタが一つもなしってのもあれですから、ここで超小ネタを一つ披露しましょう。
P170より――


「あの。志摩子さんが変なのは、前からですけど」
 祐巳と由乃さんは、「ねえ」と顔を見合わせた。
「どんな風に?」
「ネコみたいな耳が生えていたり、えぅえぅ泣きながら青汁飲んでいたり」
「それはいいの。予想できていたから」
「……い、いいんですかっ?」

あ〜。思いっきり、わかる人にしかわからんネタを書いてしまった(笑)。


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