う〜ん、長い!
四百字詰め原稿用紙で三二○枚以上。
過去最長の『レイナの剣』を一気に百枚近くも抜きましたね〜。
書き下ろしオンライン小説でこれだけ長くなると、読者の皆さんが途中で力尽きていないか心配になるのですが、いかがでしたでしょうか?
ああ、あとがきを読んでいるということは、無事に読み終わったんですね。
え? あとがきを先に読んでる?
それはいけませんね〜、この先一部ネタバレを含みますので、どうぞ本編からお読みください。
いや…そもそもこのシリーズってどのくらい読者がいるんでしょう?
「新作が出るたびにちゃんと読んでるって人、手を上げて?」
…少ないですね(泣)。
しかし…よくよく考えてみると、『光の王国』の本編って久しぶりです。
『レイナ』は一月公開だったから、なんと約九ヶ月ぶり!(このあとがきは、十月一日に書いています)
間に『チョコレート娘』と『リューリィ・リン』があったので、そんなに間が開いているようには感じなかったのですが、待ちくたびれた方がいたとしたら申し訳ないことです。
なにしろ『光』は原則として書き下ろしのみなので、どうしても間隔が長くなるんですよ。
では、ちょっと作品解説などをしましょうか。
あ、その前に、先に謝っておきます。
ファージのファンの方、ごめんなさい!
ついにやっちゃいました。
今回ファージの出番ナシ。
いずれ、彼女メインの話を書く予定なのでご容赦を。
〈序 エモン・レーナ〉
『レイナの剣』同様、序章は昔話から始まります。
いまからおよそ千五百年前、黄金竜の騎士エモン・レーナと、後のトリニア国王エストーラの出会い。
エモン・レーナはこれまでも何度か名前が出てきているはずですが、本人は今回が初登場です。
〈一 三月のうさぎ〉
『不思議の国のアリス』の有名なシーン、「気狂いお茶会」の出席者といえば、帽子屋、三月うさぎ、そしてヤマネです。
なんでも、雄のウサギは三月になると発情期を迎えて気が狂ったようになるそうで、そこから「三月うさぎのように気の狂った」という慣用句が生まれたそうな。
(あ、これはイギリスの話ね。日本のウサギがどうなのかは知りません)
で、なぜこの章のタイトルが「三月のうさぎ」なのかというと…。
ちょうど三月の話だし、それにほら、奈子がちょっと発情気味でしょ?(笑)
〈二 四十六億年の旅〉
この章は、NHKスペシャル『生命〜四十億年はるかな旅〜』のサントラをBGMにしてお読みください(笑)。
なんとゆ〜か、『剣と魔法もの』ファンタジーにあるまじき内容ではないでしょうか。
でも『剣と魔法が支配する異世界』だからといって、世界が象や亀の上に乗っていたり、カミサマが六日間で創ったりするんじゃあまりにも安易でしょ?
〈三 ファ・ラーナの聖墓〉
『黄昏の堕天使』も『レイナの剣』も、クライマックスの章タイトルがそのまま作品タイトルになっているのですが、その理屈でいくと今回のクライマックスはこの章でしょうか。
奈子だけに焦点を当てればそうかも知れませんね。
第五章の奈子はほとんどただの傍観者ですから。
書いてる本人はこの章がいちばん気に入ってます。
やっぱり、「奈子いじめ」は楽しいです(笑)。
ところで、このタイトルは「ふぁ・らーなのせいぼ」と読むのですが、パソコンはなかなか正しく漢字変換してくれません。
「ファ・ラーナの聖母」ならまだしも、「ファ・ラーナの歳暮」なんて変換された日には…(笑)。
〈四 聖跡の番人〉
実は、下書き段階では存在しなかった章。
第五章が長くなりすぎたので、前半部分を分割したのでした。
〈五 記憶の万華鏡〉
『レイナの剣』も昔話が多かったけど、今回はそれ以上。
しかも、『レイナ』と違って複数の時代の話が入り乱れているから始末が悪い。
多分読んでるうちに混乱してきたのではないでしょうか?
プロなら絶対許されないことだけど、私はアマチュアなので好き勝手やらせてもらいます(笑)。
ま、これから先はだんだん現代の話が中心になってくるはずなので、今回だけご勘弁を。
〈終章 再会〉
『リューリィ・リン』に続き、今回もエイシスは受難の人です、ざま〜みろ(笑)。
いえ、別に、エイシスが女性読者に人気があるから妬いてるとかじゃなくて…。
そして、ラストの締めはいつも通り由維×奈子のからみです。
そういえば由維って、たいてい一章とエピローグにしか登場しませんね。
その割に読者の人気は高いみたいですが。
最後に今後の予定を…。
次回作は一応、番外編『殺意の女神』を予定しています。
インタルードじゃなくて、まっとうな(?)番外編ね。
本編のストーリィとはあまり関わりのない、奈子の冒険を書こうかと考えています。
その次は…本編第六話『金色の瞳』を予定していたのですが、第七話『銀砂の戦姫(仮)』と順序を入れ替えるかも…。
『殺意の女神』は九九年初め頃、その次は五月頃を予定しておりますので、どうぞお楽しみに。
それでは、また、次の作品でお会いしましょう。
一九九八年十月 北原 樹恒
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創作館ふれ・ちせ
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