そして、運命の夜が来た――なんて、ちょっと大げさかな。
慎くんは『撮影会』って思ってるけど、実は違う。
あたし、決めたんだ。
今夜こそ、慎くんを食っちゃおう、って。
お母さんがいない夜。好都合なことに、あたしってば安全日。
慎くんをナマで味わえるんだ……って考えただけで、ぐっしょりと濡れちゃいそう。
もちろん、いきなりスルんじゃなくて。
できれば、写真を撮っているうちに慎くんが欲情して、強引に襲ってくるっていうパターンが理想かな。
そうすれば慎くんの弱みを握れるし、あとあと優位に立てる。
それに、あたしの前ではいつも小さくなっている慎くんに襲われるっていう、その逆転したシチュエーションにもそそられる。
慎くんを挑発するために、聖陵女子学園に通う友達から、市内で一番可愛いと評判の制服を借りてきたりもした。
着てみたら、なんだか可愛さ五割増しって感じ。あたしってばただでさえ可愛いのに、どうしよう……なんてね。
撮影が始まってからも、うんと挑発的なポーズを取ってやる。今日のために、鏡の前でポーズや表情を練習してたんだ。
ひとりエッチだって、これ以上はないってくらいにいやらしくしてあげた。
やっぱり、慎くんに見られながらするのってすごく感じる。
しかも今回は、あたしの目の前でカメラを構えている。
慎くんのカメラに、あたしの恥ずかしい部分がアップで写っているって考えたら……もうイキそう。
だけど慎くんは、期待に反してなかなか襲ってくれない。
これならどうだ、って感じで、化粧品のビンを挿入して見せたりもしたのに。
本音を言えば、こんなあたしでも男の人の見ている前でのひとりエッチってすごく恥ずかしい。これまで付き合ってきた男たちの前でしたことなんかない。
しかも、指じゃないモノ――それもバイブのような「エッチのための道具」じゃないモノ――を挿入するとなると、恥ずかしさは何倍にも増してしまう。
自分がいかにいやらしい女か、ってことを見せつけているような気がして。
それなのに慎くんは、身体を張った挑発にも屈することなく、写真を撮り続けている。
だけど……身体は、しっかり反応していた。
すごく、大きくなっている。ジーンズの前が、大きく膨らんでいる。
それなのに、まだ襲ってくれない。
ものすごい自制心……じゃないな。慎くんはあたしに対して立場弱いから「お姉ちゃんを襲う」なんて考えられないんだろう。
普通に考えれば、わかりそうなものなのにね。女の子が目の前で、ここまで痴態を見せてあげてるんだよ。「いつでもどうぞ」って言ってるようなものじゃない。
あんなに大きく、固くしちゃってさ。
動きにくそうに困った顔をしてる。
なんだか、可哀想になってきちゃった。
ごめんね。魅力的なお姉ちゃんのせいだよね。お姉ちゃんがすっきりさせてあげる。
あたしは「襲われる」ことを諦めると、慎くんを側に呼んで、いきなりズボンのファスナーを下ろした。
大きくなったおちんちんを握って、引っぱり出す。
慎くんは慌ててる。
それは思っていたよりもずっと大きくて、太くて。
すごく立派。
慎くんのおちんちんを間近で見たのなんて小学生の時以来だから、その大きさの違いに少し驚いた。男の人のなんて見慣れているはずなのに。
あたしの頭の中では、慎くんは昔のままの慎くんだったんだ。
だけど今あたしの手の中にある慎くんは、立派にオ・ト・コ。
あたしの手の中で、固く、熱くなっている。
「こんなに固くしちゃって。実の姉に握られて感じるなんて、慎くんってやらしいんだ〜」
「じ、実の弟のを握るのはやらしくないのかよっ?」
「じゃあ、止める?」
「…………やだ」
真っ赤な顔をして、小さな声で言う慎くんが愛おしくって、なんだか嬉しくなって。
そぅっと唇を亀頭に寄せて、何度もキスをした。そのたびに慎くんは小さな声を上げる。それから、ぱくりとくわえ込んだ。
あたしの口の中で、慎くんのがビクビクと脈打っている。
あたしの口で、感じてくれてる。
もっと感じさせてあげたい。
もっと感じたい。
あたしは今、慎くんにフェラチオしている。
慎くんに、口を犯されている。
どうしてだろう、こんなに気持ちイイのは。
まるで、口が性器になったみたいに感じる。
「あ……は……ぁっ」
あたしの舌の動きに、慎くんも敏感に反応してくれている。
もともとフェラチオするのは好きな方だけど、今日はもう、本当に熱心に舐めていた。
涎でヌルヌルになったおちんちんを胸で挟んで、パイズリもしてあげる。
先っぽを舐めながら、上目遣いに慎くんを見た。
気持ちよさそうな慎くんの表情。すごく可愛い。
そろそろ限界かな……そう思った瞬間、口の中に慎くんの精が放たれた。
予想以上に量が多くて勢いがあって、一息では飲み込めないくらい。びっくりして口を離したら、顔と胸にもいっぱいかけられちゃった。
普段なら、顔射されるのってあんまり好きじゃないのに、今日は全然イヤじゃなかった。
ううん、むしろ嬉しいくらい。
身体中で慎くんを感じているみたい。
顔や胸にかかったザーメンを指で拭って、一滴残らず舐めてしまった。
美味しい――心の底から、そう思った。
慎くんの味が濃縮された、どろりとした液体。あんなにいっぱいかけられたのに、もっと飲ませて欲しいって思ってしまう。
「すっごい量。ずいぶん溜まってたんだね。それとも、お姉ちゃんのフェラがそんなによかった?」
「…………」
慎くんは恥ずかしそうに俯いている。
気持ちよくなかったはずはないけれど、ちゃんと、慎くんの口から聞きたい。
「どぉなの? ちゃんと答えなさいよ!」
「……すごく、良かった。信じられないくらい……自分でするのなんて問題になんなくて……」
へへへ〜、やっぱりね。
テクニックには、ちょっと自信あるんだ。
よかったら、もっとしてあげるよ。
あたしも、慎くんをもっといっぱい味わいたいもの。
そして――。
そんなあたしの願い通りに、慎くんのペニスはまだまだ勢いを失ってはいなかった。
〈後編に続く〉
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