〜3〜


 はぁ…。
 あたしは大きく息を吐き出した。
 まだ、心臓がバクバクいってる。大変なことになっちゃった。
 …でも、よかった。
 ふふ…。
 なんだか、少し可笑しい。
 今日、初体験するなんて…。
 つい一時間前には考えもしなかったのに。
 しかも、相手が兄貴なんて。
 やっぱりヘンかな?
 恋愛感情なんてないのに。
 だけど…。
 兄貴とセックスするところを想像してみる。
 ちっともイヤじゃない。
 むしろ、兄妹の絆がより深まりそうな気が…って、普通は兄妹でこんなコトしないか。
 ふふ…。
 可笑しい…や。
 あたしって、エッチな女の子なのかな。
 でも、だとしたらそれは兄貴にも責任がある。
 母さんが留守のとき、よく彼女を部屋に連れてきてセックスしてるから。
 あたしが家にいてもお構いなしで。
 兄貴の彼女、先刻のビデオの女の子と同じような声を出してた。隣の部屋だから、壁を通してよく聞こえる。
 あたしはそれを聞きながら、ひとりエッチしてたんだ。
 ただ一人でするのよりも、いやらしい声を聞きながらの方がずっと興奮した。
 だから、あたしがエッチな女の子になったのは、半分くらいは兄貴のせいだ。
 ちゃんと、責任取ってもらわなきゃ。


 服を脱いだ。
 着ているもの、全部。
 ショーツが濡れてて、染みになっていた。
 指で、あそこをを触ってみる。
 ヌルヌル…。愛液が流れ出しそうなくらい、濡れている。
 新しいショーツを着ける前に、ティッシュでキレイに拭いた。
 どうせ、またすぐに濡れちゃうんだろうけど。
 裸のまま、鏡の前に立ってみた。
 裸のあたしが映っている。
 どちらかといえば小柄だ。
 手足もウェストも自慢できるくらい細い。
 でも、その分胸もないのがちょっと悲しい。
 乳首は淡いピンクだけど、小さくて子供の胸みたい…って、ホントにまだ子供だけどさ。
 あそこの毛は薄い。
 柔らかな毛が少し生えてるだけ。
 やっぱり、子供っぽいな…。
 でも、自分で言うのもなんだけど、顔はけっこう可愛いよね。
 これでも、学校ではかなりモテるんだし。
 鏡の前でくるっと一回転してから、あたしは服を着た。
 いちばんお気に入りの、淡いピンクのショーツ。
 そして、セーラーの夏服。
 ブラは着けなかった。
 わざわざセーラー服を着せたってことは、ビデオみたいに着たままエッチしたいってことだろう。
 でも、セーラー服を着たままだとしても胸は触ってほしいから、きっとブラジャーは邪魔になる。
 服を着て、髪にさっとブラシをかける。
 肩に軽くかかるくらいの、茶色の髪。
 手間をかけて手入れしているから、枝毛なんてほとんどない。
 最後に、薄いピンクのルージュをつけた。
 ちゃんとお化粧しようかとも考えたけど、お化粧のうまさじゃきっと兄貴の彼女たちにはかなわない。
 やっぱりここは初体験の女子中学生らしく、若さと清純さで勝負よね。
 準備ができて、もう一度鏡を見る。
 うん、完璧。
 ちょっと子供っぽいけれど、十分すぎるくらいに可愛い女の子がそこにいた。
 大きく深呼吸する。
「よし。さぁ、行くぞ」
 そうしてあたしは、兄貴の部屋へ向かった。



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