「ひゃ……ぁんっ、らっきぃ……だめぇ……っ」
私がぐったりとしていても、ぴちゃぴちゃ、くちゅくちゅという水音は、まだ続いている。
ラッキーはその行為をやめるどころか、いっそう熱心に舐め続けていた。
荒い息づかいが聞こえてくる。
「そう……だよね、私……ばっかり……気持ちよくなってちゃ、だめ……だよね」
なんとか頭を持ち上げてラッキーの姿を視界に捉える。
普段はほとんど身体の中に隠れている陰茎が、大きく勃起しているのが目に入った。それは赤い、肉の色をしていた。
「ラッキーのことも……気持ちよくして、あげなくちゃ……」
ふたりが一緒に気持ちよくなってこそ、本当の性行為というものだ。
私はまだ全然回復していなくて、身体にまるで力が入らなかったけれど、なんとか仰向けから俯せに身体の向きを変えた。
一方的に舐めてもらうだけじゃ、だめ。
ちゃんと、ラッキーも気持ちよくしてあげなきゃ。
そのためには、ちゃんと、最後までセックスをするしかない。
犬と、本物のセックスをする――そんな異常な行為にも、もう抵抗感はまったくなかった。むしろ、とても素敵な行為に思われた。
そうするのが当たり前のように、犬と同じく四つん這いになる。
「……いいよ……、ラッキー、来て」
お尻を小さく振って、ラッキーを誘う。
それに応えて、ラッキーはすぐさま背後からのしかかってきた。
前脚が、私の胸のあたりを抱える。驚くほど強い力が込められていて、苦しいくらいだ。
身体が、前後に揺すられる。背後で、ラッキーが激しく腰を振っている。
熱い息がうなじにかかる。
ペニスの先端が何度もあそこに当たる。だけど本能のままに激しくめちゃくちゃに腰を動かしているので、なかなかうまく入ってこない。人間の男の子のように、まず落ち着いて挿入してから動きはじめるという考えはないようだ。
「……ぁっ、んんっ、……ぁっ!」
この状態は、私にとっても拷問のようだった。
濡れそぼった割れ目が、何度も何度も刺激される。今にも入ってきそうで、だけど入ってこない。
これじゃあまるで焦らしプレイ。焦らされて焦らされて、我慢できなくなってしまう。
「ん……ぅんっ、んくぅ……んっ」
手を伸ばして、固い弾力のあるラッキーのペニスにそっと添えた。
すごく、熱い。
それを、今か今かと待ち焦がれて涎を垂らしている、私のいやらしい口へと導いてやる。
「ふあ……、あ、んっ! ぁんっっ!」
ぬるり……という感触と共に、私の膣内に入ってきた。
男性器を身体の中に受け挿れるのは二年ぶりなのに、意外なくらいスムーズな挿入だった。舌でいやというほど執拗に愛撫されて、溢れるほどに濡れそぼっていたためだろうか。
「あっ、はぁぁっ! あっ、あぁっ! あぁっ、あぁんっっ!!」
ラッキーが激しく腰を振る。すごく速い動きだ。
動きに合わせるように切ない嗚咽が漏れる。
頭の中が沸騰する。
こんな勢いで膣壁を擦られたら、とても正気ではいられない。
「あぁっ、……っ! あっ、ぁんっ! あぁぁ……っ」
私の膣内で、ラッキーが大きさを増していく。
それは最初、親指よりひとまわり太いくらいだったはずなのに、今は間違いなく、長さも太さも、もっと大きく膨らんでいた。
刺激も、どんどん強くなる。
身体の内側から、膣が拡げられていく。
やがて、私が知っている人間の男性器を凌駕するほどまでに膨脹した。
「あぁっ、す、すごい……っ! すごいっ、いいっ、イイのっ! ……ぁ……あぁぁっ! あんっ!」
痛いほどに大きなペニスが、すごく、気持ちいい。
気持ちよすぎて、身体から力が抜ける。
腕で上体を支えるのが辛くなって、枕の上に突っ伏した。膝を立てて、お尻だけを高く突きあげたいやらしい姿勢になり、ぎゅっとシーツを握りしめる。半開きの唇からは、絶え間ない嗚咽とともに涎が流れ落ちる。
視線の先に、姿見があった。ちょうど、私とラッキーの下半身が映っていた。
ベッドに横になった体勢では、縦長の姿見に全身は入らないけれど、それでもわかる。
信じられない。
私ってば、本当に犬とセックスしている。
びっくりするほどに大きく勃起した犬のペニスが、私を貫いている。
ラッキーと、ひとつにつながっている。
夢にまで見た行為が、現実になっている。
現実?
本当に?
まだ、夢を見ているんじゃない?
だって、信じられない。
本当に、こんなことをしているだなんて。
現実だなんて思えない。
だけど、紛れもない現実。
本当に、ラッキーとセックスしている。
夢だったら、こんなに気持ちいいはずがない。
それは信じられないくらいにエッチで、変態的な行為。
だけど、最高に気持ちのいい行為。
視線を横に向ける。
姿見を見る。
ベッドの上に俯せになった私の姿が姿見の中に在った。
その背後に覆いかぶさって、ラッキーが身体を揺すっている。
本当に。
ラッキーと、セックス、している。
「あぁっ、ラッキー! ……あぁんっ、ら……ラッキー!! あぁぁ――っ!」
私の膣内で、ラッキーの分身が暴れている。いつもと同じやんちゃぶりで、濡れた粘膜をかき混ぜている。
「……あぁんっ! あぁ……ら、ラッキーも気持ちいいの? ねぇっ、私の……お、おまんこ、気持ちイイのっ?」
恥ずかしい四文字言葉を口にしながら、ふと思った。
ラッキーは、初めてなのだろうか。
人間の女の子とするのはもちろん初めてだろうけれど、牝犬とはしたことあるのだろうか。
初めてだったらいいな、と思う。
ラッキーの初めての女の子が私だったら、すごく嬉しい。
そして、私で気持ちよくなって欲しい。
きっと、気持ちいいはず。
だから、こんなに大きくなっている。
だから、こんなに激しく動いている。
だから、うなじにかかる息がこんなに熱い。
「あっ、あぁっ! あ……ぁんっ! あっ……はぁっ! ぁ……ぁあっ……ぁんっ、……ぁぁ……んんっ!?」
速く、激しかったラッキーの動きが、だんだん小さくなってきた。その分、力強くぐいぐいと腰を押しつけてくるようだ。
「ぁ……?」
なにか、大きな丸いものがあそこに当たっていることに気がついた。
強引に膣口を拡げて、私の胎内に入ってこようとしている。
暫し戸惑って、それがなんであるか思いだした。
瘤、だ。
犬科の動物は交尾の際、ペニスの根元が瘤状に丸く膨らむのだ。それが膣内で栓の役目を果たし、途中で抜けたり、精液が膣外に漏れたりするのを防いで、受精の確率を上げるのだそうだ。
以前、テレビの動物もののドキュメンタリーで、キタキツネの交尾のシーンを見たことがある。つがいが後ろ向きにつながって、雄が雌を引っぱるようにしているのに抜けないのが不思議で、「キツネの牝って、そんなに締まりがいいのかな?」なんて莫迦なことを考えたことがあった。
その秘密が瘤だった。大きくなった瘤の直径はペニスの何倍もあるから、一度膣内に入ってしまえば滅多なことでは抜けたりしない。
さて、どうしたものだろう。
瘤まで中に受け容れるべきかどうか、少し悩む。
正直なところ、怖くないといえば嘘になる。瘤の大きさは、一般的な人間の男性器のサイズとはまるで違うのだ。実際、犬とセックスする女の人でも、瘤までは挿れないことも多いらしい。
海外のサイトで見た、犬とセックスしている動画や写真を想い出す。
瘤は、成人男性の握り拳くらいか、あるいはそれ以上の大きさがあった。
そもそも、あんなに大きなものが私の身体の中に入るのだろうか。私は日本人女性の平均よりもかなり小柄なのだ。
だけど膣というのは、入口さえ通り抜けてしまえば、内部は意外と伸縮性があるのも事実だ。
瘤がまだ膨らみきっていない今なら、挿れられるのかもしれない。
犬とのセックスの手ほどきが載っていたWebサイトには、「犬とのセックスの真の楽しみは、この瘤だ」といったことも書かれていた。
それに、ラッキーのすべてを受けいれたいという想いもある。
する以上は、犬とのセックスのすべてを経験してみたい。真面目ぶっていても、エッチなことに関してはかなり好奇心の強い私なのだ。
犬同士の交尾では、当然、瘤まで受けいれるのが普通のことだ。ならば、私もそうすることで、本当にラッキーとひとつになったといえるのではないだろうか。
……よし!
心を決めた。
すべてを受けいれよう。
最後まで結合しよう。
膣は本来、生殖の……出産のための器官。瘤がどれほど大きかろうと、赤ん坊の頭の方がずっと大きい。ならば、挿れられないことはないはずだ。
一度、小さく深呼吸。
お尻だけ突き上げた俯せの姿勢のまま、下半身に手を伸ばす。
片手で、自分自身をいっぱいに拡げる。
もう一方の手はペニスの根元を握って、瘤を自分に押しつける。
「ん……くぅんっ、んんっ! んふ……ぅ……んっ! んぐぅ……ぅ……ぅあっ、ぁんっ!」
大きな塊が、私の中に無理やり入ってこようとしている――そんな風に感じる。
けっして広いとはいえない――二年前の彼の言葉を信じるなら、むしろかなり狭めの膣口が拡げられていく。
やっぱり、痛い。
初めての時の痛みにも似ている。
あの時も、こんなに大きなものは絶対に入らない、と思ったものだ。
それでも、頑張れば意外となんとかなってしまった。
だったら、今回だっていけるはず。
大きく息を吐き出して、下半身の力を抜く。
歯を喰いしばって、瘤を押す手に力を込める。
「いっ……、んぐ……ぅぅんっ! う……ぅぅ……ぐ、ぁ……あぁぁっ! あ……あぁ……あぁぁぁ――っっ!!」
その瞬間、思わず悲鳴を上げた。
本当に裂けてしまうかと思うほどの痛み。
涙が溢れる。
ほんの一瞬、膣口が限界を超えるくらいに拡げられた。
信じられないほど大きな丸い塊が、そこを通り抜けた。
かつてないくらいに濡れていたからこそ、可能だったことだ。
「あ……あっ、あぁっっ! は……あぁぁぁ――――っっ!!」
激痛。
意識が遠くなる。
だけど、それは一瞬のこと。
瘤が完全に膣内に入ってしまうと、ずいぶん楽になった。
もちろんまだ痛くて、限界まで無理やり拡げられている感覚はあるけれど、耐えられないほどではない。
やっぱり、入口よりも中の方が伸縮性があるようだ。瘤の根元はまた普通のサイズに戻るから、これで一応は息がつける。
もう一度、深呼吸。
うん、これなら大丈夫。
……と、思ったけれど。
少し認識が甘かった。
泣きそうなほどの痛みは急速に薄れていったけれど、それに代わって津波のように押し寄せてきたのは、これまでとは桁違いな快感だった。
考えてみれば当然だ。根元まですっかり入ってしまったことで、ラッキーのペニスは私の膣内をいっぱいに満たしている。ただでさえ日本人男性の平均的サイズよりも大きなものなのに、その根元には大きな瘤が存在しているのだから、全体としては膣内に無理やり押し込められているような状態だ。
しかも、膣というのは奥の方よりも入口近くの方が敏感で。
その部分で、大きな瘤が圧倒的な存在感を主張している。
「んうぅ……あ、あぁ……ぁ……あはぁ……ら……きぃ……っ」
快感と痛みと圧迫感がブレンドされた感覚に、身体が震える。
そのわずかな動きでさえ、引き裂かれそうなほどに拡げられた膣には強すぎる刺激だった。
意識が遠のく。
なんという快感だろう。
人間相手のセックスでも、自慰でも、経験したことのない不可思議な感覚。
犬が相手でなければ、ありえない刺激。
ラッキーは、もう先刻までのように激しく動いてはいない。瘤を挿れてしまうともう抜き差しはできないから、これが当たり前のことらしい。
なのに、イイ。
むしろこの方がいい。瘤が入っている状態で最初の頃のように激しく動かれたら、本当に壊れてしまいそうだ。
今の状態でも充分すぎる刺激だ。じっとしているだけでも圧倒的な存在感のある瘤。震える程度のわずかな動きでも、膣壁が受ける刺激は常識を外れている。
「あぁぁっっ! ……あぁっ! …………はぅっ、ぅんっ、あぁっ! ……あぁぁっ!」
かすかに腰を動かしただけで、悲鳴が上がる。
そこで少し休んで、また、少しだけ動く。
そんな動作を繰り返す。
すごい。
すごい、刺激。
すごい、快感。
痛いというか、苦しいというか、熱いというか。
だけど、不快ではない。
むしろ、どこか甘美な感覚。
いい。
これ、イイ。
病みつきになってしまうほどの、中毒性のある刺激。
どんどん、快感の度合いが高まっていく。
無意識の腰の動きは少しずつ大きくなって。
代わりに、動きを止めている時間は短くなって。
私の声も、大きくなっていく。
「ふあぁっ……んぅんっ! あっ、は……あぁぁっっ! す……ごいっ……あっ、し、死んじゃう……っ! あぁぁっ、あぁぁぁぁんっ!」
熱い。
熱い液体に、胎内が満たされていく。
それは、ラッキーの精液。
感じる。
ラッキーが、射精している。
私の胎内に、注ぎ込まれてくる。
すごく、熱く感じる。犬の体温は人間よりも高いからだろうか。
そして、信じられないくらい量が多い。
犬は、挿入している間、ずっと射精を続けるのだそうだ。作りためた精液を一瞬で射精する人間とは違い、牡犬はセックスしながら精液を作って、それを絶え間なく注ぎ続けるのだという。
瞬間的な勢いは人間ほどではないけれど、時間が長い分、総量では人間よりもずっと多くなる。
その大量の精液が、すべて私の中に注ぎ込まれている。
膣内は大きなペニスと瘤で一分の隙もなく満たされているから、行き場のない精液はすべて子宮へと流れ込んでくる。
私の胎内に、絶え間なく放たれる精。
普通なら溢れ出すほどの量なのに、瘤で膣に栓をされて一滴の無駄もなく子宮を満たしていく。
「あぁぁっ……あぁんっ! んふぁ……あぁんっ! こんな……あぁっ、私が牝犬だったら、絶対に妊娠しちゃう……ぅぅっ!」
イヌ科の野生動物が交尾する際の妊娠の確率は、百パーセントに近いと聞いたことがある。
それも納得の話だ。
これだけの量の精液で、子宮を満たされてしまうのだから。
それに、そもそも野生動物の雌が発情するのは基本的に排卵期だけだ。あるいは猫のように、交尾が引き金となって排卵する動物もいる。
実は、今日の私もそう。
もしも相手が人間だったら、危険日ど真ん中。
だけどラッキーが相手であれば、妊娠の心配は万にひとつもない。
これも、犬とセックスすることの利点のひとつだろうか。
だけど、そんなことは些細なおまけでしかない。
犬とセックスすることのいちばんの理由は、それが、信じられないくらいに気持ちいいからだ。
激しい動き。
大きな瘤。
絶え間なく注ぎ込まれる熱い精液。
私は、人間相手ではけっして味わえない快楽に酔いしれていた。
子宮を満たしていく大量の精液を感じながら、腰を動かす。
「い……いぃっ! あぁっ、あぁんっ! はぁっ……あぁ――っ! あぁぁ――っっ!!」
悦びを求める本能にまかせて、いちばん感じる部分を探りながら下半身をくねらせる。
気持ち、いい。
どう動いても気持ちいい。
すべての刺激が、快感につながる。
どんどん昂っていく。
どんどん、どんどん、高みに昇ってゆく。
私は枕に顔を埋めるようにして、両手はシーツを固く握りしめていた。
だらしなく開いた口からは涎が流れ出し、枕カバーに染みを作っている。
「あぁっ! ひぃっ……ぃいっ! あぁぁっ、あぁっ、あぁぁっっ! い、イィっ! イイよぉっ! あぁぁ――っ、あぁぁぁぁ――――っっっ!!」
肺の中の空気をすべて絞り出して、絶叫する。
酸欠のためか、それとも神経が灼き切れるほどの暴力的な快感のためか、急に視界が暗くなる。
身体の感覚がなくなる。
……そこで一度、意識が途切れた。
「は……ぁっ……、はぁ……すご……い……、あっ……ぁん」
失神していたのは、おそらくそう長い時間ではなかったのだろう。目を覚ました時、私はまだ荒い呼吸をしていた。
全身がひどい倦怠感に包まれていて、身体にまるで力が入らない。
それも当たり前だ。
今日は立て続けに三度も絶頂を迎えて、しかも三度目は、あんなにも激しく、異常な行為だったのだから。
だけど。
まだ、終わってはいない。
まだ、ラッキーは私の中に在る。
大きな瘤は外に出ることを拒絶するかのように、膣口をしっかりと塞いでいた。
「ん、んくぅ……ぁ、ぁんっ、く……ぅん、んふぅ……んっ」
犬のセックスは、けっこう持続時間が長いらしい。私が見たウェブサイトには、こうした状態は長い時には三十分から一時間も続くことがあると書かれていた。
まだしばらく、このままだろう。膣内で圧倒的な存在感を主張している瘤が小さくなるまで、私たちはつながったままだ。途中で離れることはできない。
これも、瘤を受けいれるのに心の準備が必要な理由のひとつだ。
だけど逆にいえば、長い時間、何度でも楽しみ続けられるということでもある。しかも今日は、どれだけ長い時間をかけても問題はない。
唯一の問題は、私の体力だろうか。
ラッキーのペニスによる絶頂は、一度だけでも充分すぎるほどに気持ちよくて、華奢な私の体力をごっそりと削り取っていた。
「う……ぅんっ、……ぁんっ、あ……っはぁっ!」
ほとんど休みなしに三度も達してしまって疲れきっているのに、膣内からの強烈な刺激に反応して、腰が勝手に動いてしまう。
下半身が円を描き、快楽の波に全身が包まれる。
「あん、ぁんっ……そ、んなぁ……っ、どうしてぇ……っ」
意志とは無関係に腰が動いて、とまらない。
こんなの、私らしくない。
二年前の私は、一度終わったらそれで満足してしまうのが常で、あとは静かに抱き合って寝ているのが好きだった。何度も続けてするのは、はしたないように感じてあまり好きじゃなかった。
なのに、今日の私はまるで別人。
三度も絶頂を迎えて疲れきっているのに、まだ快楽を貪ろうとしている。
膣を満たしている太いペニスから、大きな瘤から、さらなる快感を搾り取ろうとしている。
「はぁっ……ぁんっ! んっ、ぁんっ! い……イィ……いいぃっ!」
すごく、感じてる。
何度もいった直後なのに、まだ感じてしまう。
もっともっと、感じようとしている。
私ってば、二年前の夏に比べて、すごくいやらしい女の子になってしまったみたい。
年頃の女の子としては、それを素直に認めることにはかなり抵抗がある。普段は真面目で通っている女子高生にとって、自分が淫乱とか色情狂とか、認められるわけがない。
実際のところ、自分の意思で犬とセックスして悦んでいる時点で弁解の余地はまったくないのだけれど、それがオトメ心というものだ。
だから、今の状況を納得するための言い訳が必要だった。
「ぁ……そ、そうだよ、ラッキーは……まだ、終わってないもん。ん……だから……そう、まだ、一度目……ってことだもん。ちゃ……んと……最後まで、して、あげなくちゃ……ぁんっ!」
そう自分を誤魔化して、押し寄せてくる快楽を堪能することに専念する。
「あぁ……んっ! はぁっ、あぁぁんっ! んっ、んふぅ……っ、うぅんっ! あんっ、あぁんっ! あぁんっ、あぁぁんっ!」
あんなに激しい絶頂を迎えたばかりだし、疲れているし、少しは感度が落ちるかと思っていたけれど、そんなことは全然ない。
むしろ、どんどん敏感になっていくようにすら思えてしまう。
実際、挿入直後よりももっと感じているのは間違いない。瘤の痛みに慣れて、気にならなくなってきたためだろうか。
痛みがなくなって、瘤が与えてくれる刺激を純粋に快楽として受けとれるようになっている。
そして、熱い射精はまだ続いている。子宮の中はラッキーの精液でいっぱいだ。
だから……
「あぁんっ! す、ごぉいっ! あぁんっ! あぁぁっ! ひぁぁぁぁっ! あ……あぁぁ――っ!! あぁぁぁぁ――っ! ん……ふぁぁぁぁぁ――――っっ!!」
私は一気に快楽の頂へと駆け上がってしまい、四度目も簡単に絶頂に達してしまった。
――結局。
ラッキーのペニスがその勢いを失って膣内から抜け出たのは、私がその後もう一度絶頂を迎えて、今度こそ本当に失神してしまった後だった。
「ん……んぅ、ふ……ぁ……、ぁん」
朦朧とした意識の中で、ラッキーの舌を感じていた。
舐めてくれている。
ことが終わった後、あそこを綺麗にしてくれている。
大量の精液と愛液と汗とで、ぬるぬる、べたべたになっていた私のエッチな部分を。
「ん……、もぅ……いいよ」
少しずつ、意識がはっきりしてくる。
目を開いて、ラッキーを呼ぶ。
「ラッキー、こっち、来て」
これ以上舐められていたら、また燃えあがってしまいかねない。そんなことになったら、本当に死んでしまいそうだ。
今だって、腰が抜けて動くこともままならないような状態なのに。
「……ラッキー」
ようやくラッキーは顔を上げて、私に寄り添うように寝そべった。
裸のままでふわふわの毛皮を抱きしめると、柔らかな長い毛が胸に当たる感触が気持ちよかった。
つぶらな黒い瞳が、私を見つめている。
その瞳を見ていると、自然と口元がほころんでしまう。
「……えへ、へ……セックス、しちゃったね。わかってる? 君は、人間の女の子とセックスしたんだよ?」
わかっているのかいないのか、ラッキーは私の鼻をぺろりと舐めた。
「……ね、気持ちよかった? 私の……お、おまんこ……よかった?」
もう一度、鼻をぺろり。
きっとこれは肯定のサインなのだろう。そう思うことにする。
「ね、ラッキー、私のこと……好き?」
三度鼻を舐めようとするラッキーに向かって、私も舌を伸ばす。
そのまましばらく、お互いの舌を舐め合うようなキスを続けていた。
腰が抜けるまで疲れきっていた私は、そのまましばらく裸のままで眠っていた。
なんとか歩ける程度に回復して目を覚ましたのは、もう夕方近くのこと。
シャワーを浴びた後で、いつものように河川敷へ散歩に行った。
ただ歩いているだけで、頬が赤くなるのを感じる。
今日は、ラッキーと並んで歩くのがとても恥ずかしかった。
河川敷でよく会う犬の散歩仲間たちとも、まともに顔を合わせられなかった。現実にはそんなことありえないはずなのに、今の紅潮した顔を見られたら、ここに来る前になにをしていたのか、たちどころにばれてしまうような気がしてしまう。
それに、歩いているだけで違和感がある。まだあそこに、大きな塊が入っているような錯覚に囚われてしまう。
歩いていると不自然に内股になって、下着が濡れてきてしまう。
だから、今日の散歩はいつもより少しだけ短めで切り上げた。ラッキーも、初めて経験する種類の運動でいくらか疲れていたのだろうか、不満げな素振りも見せずに私の後に従った。
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