どのくらい気を失っていたのだろう。
意識が戻ると、いつの間にか服が脱がされていて、全裸でベッドに横たわっていた。
もう、ラッキーとつながってはいない。
代わりに、裸になった上村くんが隣に腰を下ろして、私の胸を乱暴に弄んでいた。
ラッキーはベッドの脇に座って、つぶらな瞳で私たちを見つめている。
「委員長って、小柄で華奢に見えるけど着やせする方なんだ?」
大きな手が、私の乳房をこね回すように揉んでいる。
「Cカップ以上ありそうだな」
「や……ぁ……、んっ」
やだ……私ってば。
私の、エッチな身体ってば。
あんなに激しくいったばかりだというのに。
相手は、恋人でもなんでもない男の子だというのに。
胸を愛撫されて、また感じはじめている。
軽くつねられ、引っぱられた乳首が、つんと固く突き出してくる。
股間をぐっしょりと濡らしている液体は、胎内から流れ出たラッキーの精液だけではないように感じる。
下腹部が、熱く疼きはじめる。
「……さて、そろそろいいか」
一度、上村くんの手が離れる。
「え……?」
「ちゃんと、牝犬らしい格好しろよ」
「……あ」
表情がかすかに強ばる。
なにを言わんとしているのか、すぐに理解できた。
私は、上村くんに犯されるのだ。
当たり前だ。この状況で、口だけで許してもらえるはずがない。最後までされてしまう――膣に挿入されてしまうに決まっている。
頭では、要求されていることは理解できている。だけど身体が動かない。
私がぐずぐずしていると、上村くんは私の脚を掴んで乱暴にひっくり返した。俯せにされた私の腰に手をかけて持ちあげ、膝を立ててお尻だけを高く突きあげたような姿勢にされる。
それは先刻まで、ラッキーとセックスしていた時と同じ格好。
牡を誘う、牝犬の格好。
「や……ぁ、いやぁ……やめ……」
か細い拒絶の声は、もちろん無視される。
背後から、腰を鷲づかみにされた。
熱いなにかが、あの部分に触れた……と思った瞬間。
「あぁぁんっ! あぁぁぁ――――っっ!!」
一気に、膣中に入ってきた。
予想以上の乱暴な挿入に悲鳴をあげる。
大きい。
すごく、大きくて太い。
固くて、とても熱い。
いちばん深い部分に叩きつけられるように、ずんずんと突かれる。
「あぁぁっ! いやぁっ! あぁっ、やぁぁんっ! あぁっ……あぁぁ――っっ!!」
激しい。
激しすぎる。
挿入直後のラッキーにも劣らない、激しく速い抽送。繊細な膣の粘膜が引き伸ばされ、擦られ、激しすぎる刺激に悲鳴をあげる。
「ひゃぁぁ――っ! あぁっ、あぁぁんっ! ……だめっ、だめぇっ! だぁめ……あぁぁっ! んぁぁ――っ!」
突かれるたびに、甲高い悲鳴があがる。
だけどそれは苦痛の叫びではなく、どこか甘さを含んだ喘ぎ声。
私……感じてる。
二年ぶりに人間の男性を相手にセックスして、あの時よりもずっと感じてる。
どうして――?
こんなの、おかしい。
どうして感じてるの?
恋人でもなんでもない相手に、私の意志などお構いなしに乱暴に犯されているのに。
二年前とは違う。あの時は、向こうは遊びのつもりでも私は本気で好きだった。恋人のつもりだった。だから、セックスは気持ちよかった。
なのに――
なのに、今の方が感じてる。
ずっと、感じてる。
上村くんが相手なのに。
上村くんなんて、私を牝犬扱いするような人なのに。
なのに。
なのに――
「ひぃっ、いぃぃっ! いやぁっ! あぁっ、あぁぁっ! ひぁぁっ! ぁんっ、あぁぁっ! あぁぁ――っ!!」
すごく、感じている。
身体は、これ以上はないというくらいに反応している。
激しく擦られるたびに、奥までずんっと突かれるたびに、歓喜の声をあげている。
意図的に出そうとしている声じゃない。気持ちよすぎるせいで、勝手に身体が発する声。
「委員長のって、すげーイイな。瘤まで挿れて悦んでるくらいだからガバガバかと思ったら、いい締まりしてんじゃねーか。ラッキーが夢中になるのも当然だ」
上村くんも興奮しているのか、少し声がうわずっている。
腰の動きがさらに激しさを増す。
「委員長、まさかラッキーが初めてじゃないよな?」
「んぅっ……あぁぁっ、……ち、違う……っ」
「いくらなんでもそこまで変態じゃないか。初めてで瘤まで挿れるのは無理だよな。見かけによらず経験豊富なんだ?」
「あぁっ! あっ……ぅぅんっ! ……ちが……う、よぉ……っ! ひぃっ、ひと……り、だけ……ぇっ!」
確かに私は、クラスメイトの飼い犬とセックスして悦んでいる変態だ。
それは否定できない。
だけど、何人もの男の子と遊んでいる淫乱女と思われるのは我慢がならない。私の男性経験は、二年前のひとりだけなのだ。
「じゃあ、そいつにずいぶん仕込まれたんだな。フェラは巧いし、自分からこんなに腰使うし」
「あぁっ! あぁぁ――っ! んぅっ……?」
言われて気がついた。
上村くんに指摘されるまで、気づいていなかった。
激しく腰を振っていたのは、上村くんだけじゃないという事実に。
いつの間にか、上村くんに突かれるのに合わせて、私も大きく腰を振っていた。
気持ち、いい。
どうして、こんなに気持ちいいのだろう。
恋人が相手じゃないのに。
ラッキーが見ている前なのに。
「やぁぁっ……あぁぁっ! いやぁぁっ! あぁぁんっ!!」
私はまるで、恋人の前で他の男に犯されているような心境だった。
つまりそれは、スワッピングとか寝取られとかいわれる状況だろうか。
これもまた、あまり普通ではないセックスの形。
だから、興奮してしまう。
すごく、感じてしまう。
精神的な要因も大きいけれど、純粋に物理的な快感も強い。
悔しいけれど、認めないわけにはいかない。上村くんに犯されることは、上村くんのペニスに貫かれることは、すごく気持ちがいい。
ラッキーとのセックスはもちろん最高だけれど、上村くんのもいい。
犬と人間とでは、ずいぶんと感じが違うのだと思った。
ラッキーのペニスは……そう、熱い液体でぱんぱんに満たしたゴムのチューブみたい。
上村くんのはもっと硬い芯のようなものが感じられる。たとえば擂粉木に薄いゴムの膜を被せたような、ちょっとごつごつした感じがする。
それぞれ膣で受けとめる感覚はずいぶん違うけれど、どちらも私を快楽に狂わせることは変わらない。
「んぁぁっ! んくっ……あぁぁっ! あぁぁんっ! あっぁぁっ! あぁぁぁっ!!」
「く……っ、ラッキーは幸せ者だな。初めての相手が、こんな名器の床上手だなんて」
私のお尻を掴んでいる手に、ぎゅうっと力が込められる。
激しく打ちつけられる腰の動きが、一段と勢いを増す。
「あんんっ! あぁぁんっ!! い、イィっ! イ……くぅっ、いっちゃうぅっ!!」
「いいのか? 委員長、もうイキそうか? ほらっ、いけよっ!」
乱暴な言葉に合わせて、長いストロークで最奥まで打ちつけられる。
ただでさえ大きな上村くんの分身が、いちばん奥深い場所で一瞬膨らんで……勢いよく弾けた。
少しずつ流れ込んでくるラッキーの精液と違い、それは爆発するみたいに一気に噴き出してきた。
「あぁぁっ! あぁぁっぁぁっあぁっぁぁぁ――――っっ!!」
全身を痙攣させて、絶叫する。
身体に残った力をすべて吐き出して、私は今日五回目の……そして最高の絶頂を迎えた。
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