四章 一番街の骨董品屋


 フィーニとひとつ部屋で一緒に暮らしはじめて。
 夜は、一緒のベッドで眠って。
 だからといって、何が変わったというわけではない。
 フィーニは相変わらず、ミュシカと二人きりの時は上級生に対する敬意など微塵も感じられない態度で、だけど他の人たちがいるところではやたらと愛想がよくて、すっかり人気者になっていた。今のところ、本性を知っているのはミュシカだけらしい。
 初めの頃はいいように振り回されて戸惑いもしたが、一緒に暮らすようになって十日もすると、さすがに慣れてきた。だからといって、まったく腹が立たないというわけでもなかったが。
 しかし、十日という日数は問題だった。
 そう。レイア様が帰ってきた後も、フィーニはミュシカの部屋に居座っているのだ。フィーニの方からは何も言わないし、レイア様は帰ってきた直後、ミュシカを避けているような雰囲気があって、フィーニの処遇について相談できなかった。
 そのまま数日が過ぎて、ようやく理解した。どうやらレイア様に謀られたらしい。こうやってなし崩し的に、ミュシカとフィーニが同室であることを既成事実にしてしまうつもりなのだ。
 やられた、と思った時にはもう手遅れだった。なんだかんだ言って、最初からフィーニを押しつけるつもりだったに違いない。他人を必要以上に近づけないようにしているミュシカを、一番快く思っていないのはレイア様なのだから。
 レイア様のたくらみを知っているのかいないのか、フィーニは相変わらず自分のペースで勝手気ままな毎日を送っていた。
 一緒に寝ていても、朝になると毛布を独り占めしていたり。
 自分が剣術の稽古をするからといって、起床時刻前にミュシカも道連れに起こしたり。
 部屋に置いてあるお茶やお茶菓子――もちろんミュシカが買ってきたもの――が美味しくないと文句をつけたり。
 今日だってそうだ。
 せっかくの休日、のんびりと本でも読んで過ごそうかと思っていたのに、無理やりフィーニに連れ出されて、街の案内をさせられている。フィーニはまだまだソーウシベツの街が珍しいらしく、休日は必ずのように街を散策しているのだ。
 今日の探索エリアは、街の中心部の商店街……の裏通りらしい。様々なジャンルの小さなお店が隙間なく並んだ、一見ごちゃごちゃとした通りで、のんびりと見て歩くだけでも結構な時間つぶしになる。怪しげな店も多い代わりに、だからこその掘り出し物などが見つかることもあって、なかなか油断ができない。
「あ、あれ!」
 突然、フィーニが大声を上げたかと思うと、呆れるほどの素速さで一軒の店のショーウィンドウにぴたっと張付いた。その後ろ姿を見たミュシカはなんとなく、寄宿舎に棲みついている一匹のヤモリを思い出した。
 何のお店だろう。これまで気に留めて見たことのない、小さく地味な店舗だった。看板らしきものも見あたらない。
 フィーニの肩越しに店内を覗いてみたが、薄暗くてあまりよく見えなかった。なにやら、古ぼけた家具や彫刻、壺やガラス細工といった代物が、ごちゃごちゃ所狭しと置かれているようだ。どうやら、骨董品屋だろうか。
「で、なにを見てるわけ? あんたは」
 食い入るようなフィーニの視線を追う。袱紗の上に、古い銀の腕輪が置かれていた。
 かなり古いものらしく、くすんだ色合いをしている。表面には手の込んだ美しい彫刻が施されているが、美しい宝石が嵌っているわけでもなく、若い娘が目を輝かせるような代物には見えなかった。
 なのに、フィーニのこの態度。
 それで、ぴんと来た。
「ひょっとして、竜騎士の腕輪?」
 訊いてみると、フィーニの頭がこくこくと上下に揺れた。その間も視線は釘付けのままだ。
「この重厚な雰囲気……、きっと本物だよ。見て、トリニア王国の紋章が彫られてる。王国時代の、青龍の騎士の証……すごいなぁ」
 うっとりと溜息をつくフィーニは、頬を上気させて、片時も腕輪から目を離さない。ほとんど恍惚といってもいいような表情だった。
「まあ、気持ちはわからなくもないけど……でも、そこまで?」
 竜騎士ナコ・ウェルの末裔リースリング家の娘で、自身も騎士剣術を学んでいるフィーニである。王国時代の竜騎士に対する憧れは、並大抵のものではないだろうと想像できた。
 現在では一般に、王国時代と呼ばれている過去の一時代。
 今から千五百年以上も前の、トリニアやストレインといった強大な王国が大陸を支配していた時代。
 剣と魔法が、世界を支配していた時代。
 当時、巨大な竜を駆って大空を舞う竜騎士たちは、人々の憧れと羨望の的だった。最高の魔力と、最高の剣技を身につけた、大陸中から選ばれた精鋭。たった一騎で一万の軍勢にも匹敵すると謳われた英雄たちだ。
 多くの国では、竜騎士はその証として国王から腕輪を賜ったという。最強の竜騎士を擁していたトリニア王国の場合、それはトリニアの紋章と、翼を広げた竜の姿が透かし彫りにされた銀の腕輪だった。
 しかし、竜はもう何百年も前に絶滅し、竜騎士の偉大な魔法も失われた。一瞬で砦を壊滅させることもできたという竜も竜騎士も、今では伝説の中だけの存在だった。
「いいなぁ、これ。欲しいなぁ……」
 まるで恋する乙女のような表情で、フィーニは何度も溜息をつく。まるっきり、魂を奪われたかのようだ。
 その時。
「あら、お客様?」
 背後からの声に、ミュシカは慌てて振り返った。
 すぐ後ろに、一人の女性が立っていた。買い物の帰りだろうか、腕に抱えている大きな紙袋からは、細長いパンと野菜が覗いている。
 二十代前半くらいの、美しい女性だった。この辺りでは珍しい、亜麻色の髪と褐色の肌をしている。その肌はビロードのように滑らかで、息を呑むほどに美しかった。
 その女性は静かに微笑んで、二人を見つめている。優しげで、だけどなんとなく妖艶で、神秘的といってもいい表情だった。
「あ、あの……えと、ごきげんよう」
 不意をつかれて狼狽えながらも、とりあえず頭を下げる。由緒正しいシーリア女学園の生徒としては、初対面の相手に礼儀正しい挨拶を欠かすわけにはいかない。
「もしよかったら入っていきませんか? 見るだけでも構いませんよ。ちょうど、これからお茶にしようと思っていたんです。お入りなさいな」
 店の扉に手をかけて、優しい声で二人を促す。
「あ、あの……えっと……はい」
 二人は赤い顔を見合わせ、声を震わせながらなんとかうなずいた。入り口をくぐりながら、小さな声で言葉を交わす。
「ミュシカってば、なに赤くなってンのよ?」
「そーゆーあんたこそ」
 なにしろこの女性、思わず見とれてしまうほどに美しかったのだ。



 その女性は、セルタ・ルフ・エヴァンと名乗った。
 この、名前のない骨董品屋の店長だという。もっとも、実際のオーナーは別な人物で、掘り出し物を求めて大陸中を飛び回っているオーナーに代わって、彼女が店を管理しているのだそうだ。
 女学生なんて、骨董品屋にとっては決していいお客にはならないだろうに、セルタさんは愛想よく店に招き入れて、お茶とクッキーでもてなしてくれた。ひょっとしたら退屈だったのかもしれない。見たところ、それほどお客さんの多そうな店とは思えなかった。
 いい香りの湯気を立ち上らせているカップを口に運びながら、ミュシカは店の中を観察した。
 外からは小さな店に見えたが、中に入ると意外と奥行きがある。一見がらくたにしか見えないような様々な品が所狭しと置かれている中に、三人が座っている小さな丸テーブルと、椅子が三脚。これもずいぶんと年代物のようで、ミュシカの目には売り物と区別がつかなかった。もしかしたら、売れ残った品を自分で使っているのかもしれない。
 壁にも壁掛けや鏡、絵画などが飾られていたが、その中に一つ、見覚えのある抽象画を納めた真新しい額を見つけて、おやっと思った。ミュシカが好きな画家で彫刻家、ジェイクト・フィル・ジーンディルの絵だ。彼は現役の画家でまだ若く、画廊ならともかく骨董品屋に並ぶ世代ではない。あるいは、セルタさんか店のオーナーの趣味なのだろうか。
「それで、ずいぶんと熱心に何を見ていたのかしら?」
 セルタさんが訊く。
「あの、これ……」
「あら、お目が高い」
 フィーニがおずおずとウィンドウに飾られた腕輪を指差すと、セルタさんはいかにも楽しそうに笑った。
「まだ若いのに、ずいぶんな目利きですね」
「ということは……」
「本物の、竜騎士の腕輪なんでしょう?」
「ええ、本物ですよ。しかもそれ、誰のものかわかります?」
 セルタさんがもったいつける。二人は揃って首を左右に振った。
「ナコ・ウェル・マツミヤのもの、って言ったら驚きますか?」
「えぇぇぇっっっ?」
 驚いた。
 フィーニもミュシカも力いっぱい驚いて、揃って大きな声を上げた。
 ナコ・ウェル・マツミヤ。
 この国の英雄であり、この地方がマイカラス領になった時の最初の領主であり、二人が通うシーリア女学園の創設者であり、伝説の最後の竜騎士である。
 数いる竜騎士の中でも、大物の一人だ。これ以上の大物となると、エモン・レーナやクレイン・ファ・トーム、ユウナ・ヴィ・ラーナなど、片手で数えるほどしか存在しない。
「でも、だって……」
「うそ……でしょう? そんな大変な品がどうして……」
 こんなちっぽけな店に、という台詞をミュシカは辛うじて呑み込んだ。事実とはいえ、それを口にするのはあまりにも失礼だ。
「でも、これ、トリニアの騎士の腕輪ですよね? どうして?」
 ナコ・ウェルは、五百八十年ほど前の時代のマイカラス王国の騎士だ。トリニア王国はそれより千年も前に滅びていて、時代がまるで合わない。確かに、ナコ・ウェルはトリニアの竜騎士の名門ラーナ家の末裔だという言い伝えはあるが。
「ナコ・ウェルのマイカラス王国の腕輪は、今でもマツミヤ家に伝えられている筈ですね。でも、マイカラスとトカイ・ラーナ教会の最後の戦争では、彼女はこの腕輪を填めて出陣したんですよ。その、ただ一度だけね」
 セルタさんの説明に、フィーニがはっと顔を上げた。真っ直ぐにセルタさんを見つめて、それからミュシカに視線を移して笑顔を浮かべる。
「間違いない、本物だよ。まさか、こんなところにあったなんて……」
「どうして、そう言いきれる?」
「今の話、ミュシカは知ってた? 普通、歴史学者だって知らないことだよ。マツミヤとリースリング、そしてオルディカのごく一部の人間を除いては……ね」
「――っ!」
 ミュシカは、知らなかった。
 そして、歴史学者でも知らないというエピソード。
 しかしセルタさんは、それを知っている。
「あなたは知っているんですね」
 セルタさんが微笑む。フィーニは小さくうなずいた。
「最初に見た時から感じてたんですけど、あなた、マツミヤかリースリングの血が混じってますか?」
「フィーニ・ウェル・リースリングです」
「そうだと思いました。この腕輪に惹かれるのも当然ですよね。ほら、直に触ってご覧なさい」
 今の話が事実なら大変な貴重品の筈なのに、セルタさんは無造作に腕輪をフィーニに渡してくれた。両手で押し戴くように受け取ったフィーニは、うっとりと魅了されたように腕輪に見入っている。
「あ、あのっ、ちょっとだけ、填めてみてもいいですか?」
「ええ、もちろん」
 セルタさんが留め金を外して、フィーニの腕に填めてくれた。
「ちょっと大きいね」
「ナコ・ウェルは長身でしたからね。ちょうど、あなたくらいはあったかしら」
 ミュシカを見てそう言った。ナコ・ウェルは女性としては長身で、剣術も格闘術も超一流の腕前だったと伝えられている。対してフィーニは、同じ年頃の女の子の中でもずいぶんと小柄な方だ。
「すてき……」
 フィーニは自分の腕に填められた腕輪を見つめ、切なげに溜息をついた。外見は単なる古ぼけた銀細工でしかないが、そのくすんだ色合いが歴史を感じさせる。見る者が見れば、その価値は計り知れない。
「いいなぁ、これ。欲しいなぁ、でもぉ……」
「高いんでしょうね?」
 急に声が小さくなったフィーニの後を継いで、ミュシカは訊いた。マイカラスの英雄である竜騎士ナコ・ウェルの腕輪。本物であれば大変な価値がある筈だ。
「そうでもないですよ。なにしろ、本物と証明する手段がありませんからね。このような物が存在すること自体、公には知られていないわけですから。そうですね、普通に売るとしたら……」
 骨董の価値は「本物である」ことに集約される。その無形の価値に対して高額な値がつけられるのであり、竜騎士の腕輪の場合、単なる銀細工としての価値などたいしたものではない。
 それでもセルタさんが口にした額は、一介の女学生にとっては充分すぎるほどに高額だった。一応はフィーニも名家のお嬢様ということにはなるが、自分のお小遣いでは一年分をすべてつぎ込んでも全然足りないだろう。誕生日などのプレゼントとして親にねだるのも、少々躊躇してしまう額だ。
 ミュシカが聞いている範囲では、フィーニの家はかなり裕福らしい。とはいえリースリングの本家ではないのだから、大富豪というほどではない。やはりおねだりにも限度というものがある。
「あぅぅぅ……」
 フィーニは腕輪を凝視して呻き声を上げている。心の中の葛藤が目に見えるようだ。しかしいくら悩んだところで、そんな大金はないという事実は変えられない。
「竜騎士の腕輪が欲しいなら、こっちのイミテーションにしたら?」
 ミュシカは、近くの棚を指差した。
「これだって安くはないけど、なんとかあんたの小遣いでも買えるんじゃない?」
 そこに並んでいるのは、竜騎士の腕輪そのままのデザインで後世に造られたレプリカだった。形だけ真似た白銅製の安物から、素材も本物同様に銀や白金などを使って立派に貴金属として通用するものまで、質も価格もピンキリだ。それでも、一番高価なものでも本物に比べればはるかに安い。
「うーん……」
 フィーニは首を傾げながら、イミテーションの中でも上質なものを手に取ってみた。
 材質も造りも、決して悪くはない。その点では本物と何も変わらない。むしろ新しくて綺麗な分、アクセサリには向いているかもしれない。
 しかしフィーニが納得していないのは一目瞭然だった。やはり、本物を見た後では納得できないのだろう。
 本物だけが持つ、歴史と伝統の重み。
 どれほど上質の素材を用い、手の込んだ細工を施したとしても、その違いだけは埋められない。
 そしてなにより、フィーニにとっては竜騎士ナコ・ウェルの本物の腕輪という事実こそが重要なのだ。
「うぅーん……」
「そんなに気に入ったんですか?」
 苦笑混じりのセルタさんの言葉に、フィーニは力なくうなずいた。
 どうしても欲しい、けれども今のところ、それを買う資金のあてがないのも動かしようのない事実だった。
「では特別に安く、あなたに譲ってあげましょうか?」
「えっ?」
「安くといっても……」
 どう考えてもフィーニの小遣いで買える額ではあるまい、とミュシカは思った。
 ところが。
「お代は……そうねぇ、身体で払ってもらおうかしら」
 瞬間、ミュシカは飲みかけのお茶を思いっきり吹き出していた。口の中にわずかに残ったお茶が気管に入る。
「せ……セルタさんっ! 人身売買は重罪ですよっ! それともあなた、同性が好きでしかもロリータ趣味っ?」
 激しく咳き込みながら、セルタは叫んだ。
「ロリータじゃないよ。あたしもうじき十六歳だもん」
 フィーニが的はずれな反論をする。
「あなた、なにか早合点しているようですね」
 取り乱しているミュシカの様子に、セルタさんは口元を押さえて肩を小刻みに震わせていた。
「腕輪を譲ってあげる代わりに、お店の手伝いをしなさいって言ったつもりなんですけど?」
「とてもそうは聞こえませんでしたが」
 意図的に誤解を招くような言い方をしたとしか思えない。
「見ての通り、このお店は私ひとりで切り盛りしてるんですけど、色々と外出することも多いんですよ。店番とか倉庫の整理とか、なかなか手が回らなくて」
「あ、それならぜんぜん問題なしですね。あたし、やります!」
 フィーニはもうすっかりその気だ。セルタさんがくすっと笑う。
「でもフィーニちゃんって可愛いですね。けっこう好みのタイプかも。ホントに身体で払ってもらってもいいかしら」
 そう言って立ち上がると、椅子に座っているフィーニの背後から腕を回して抱きしめた。
「お店の手伝いと、どっちがいい?」
 耳元に唇を寄せてささやく。
「えー?、えーとぉ……」
 フィーニが赤面している。思わずミュシカが口を挟んだ。
「考えるようなことかぁっ!」
「ミュシカってば怒鳴ってばっかり。あ、もしかしてやきもち?」
「違ぁぁうっっ!」
 その絶叫に、お店の窓ガラスがびりびりと震えた。



「フィーニちゃん、アンティークショップでアルバイトを始めたんですって?」
 その日の夜。寄宿舎の廊下でレイア様と会った時にそう訊かれた。
「お姉様は相変わらず早耳で……」
「大丈夫なの? 怪しげなお店じゃないでしょうね?」
「さあ……?」
 ミュシカは曖昧に肩をすくめた。
 店そのものはともかく、店主は微妙に怪しげだったかもしれない。が、それを正直に話したらレイア様は心配するだろう。
 竜騎士の腕輪を手に入れたフィーニは、もう見ていて呆れるくらいにはしゃいでいて、レイア様が注意したところでアルバイトを止めるとは思えなかった。
「さあ……って、あなたね……」
 レイア様が眉をひそめる。
「フィーニが自分で決めたことなんだから、いいじゃないですか」
「それでもしも間違いをしでかすようなら、助けてあげるのが姉の役目でしょう?」
「間違いかどうか、まだわかりませんもん」
「じゃあ、フィーニちゃんがそのお店に行く時は、ちゃんとついていってあげなさいね」
「な、なんで私が」
 予想外のとばっちりに、ミュシカは拗ねたように言った。フィーニの勝手に、これ以上振り回されてはたまらない。
 しかし、レイア様は見逃してはくれなかった。
「まあ、悲しいわ。ミュシカってば、私のお願いを聞いてくれないの?」
 それを見てしまったら、絶対に逆らうことはできないという必殺技「お姉様の憂い顔」である。自分にまったく非はない状況でも、何故か胸がずきずきと痛む。
「お願い? 命令……の間違いでは?」
 ミュシカはあきらめ顔で、大きな溜息をついた。



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